陰陽道


日月星辰の運行や方位をみ,特殊な占法を用いて国家・社会や個人の吉凶禍福を判じ,あらゆる思考や行動上にその指針を得ようとする諸技術をさし,これに関連する思想・理論も含まれる。中国古代,夏・殷(商)王朝のころに発達し,周王朝の時代に完成した。いわゆる易と称するもので,その代表的な典籍が《周易》である。その思想・理論の中心となるのは陰陽(いんよう)五行説で,日月と木火土金水を万物生成の主要素とし,これに十干十二支の説が結びつき,それらの複雑な組合せから歳月日時方位に占星的価値がつけられ,天文・暦法が加わってここに原始的科学知識が成立した。

参照


■陰陽道

簡単に説明すると「古代中国の陰陽五行説の思想に基づいて天文・暦法・占術などの学問的なものから天人相関思想による祥瑞災異などの思想、あるいは呪術・祭祀に至るまでを包括したもので、日本において体系化されたもの。」と定義することができます。

陰陽五行説については別に項目を作って詳しく説明いたしますが、陰陽説と五行説という二つの哲学的な思想が合体したものです。それぞれについて簡単に説明すると次のようになります。

●陰陽説とは...
陰(日陰を意味する)と陽(日向を意味する)に大別される相対する2つの気(潜在的活力)が和合・循環することで万物の生成・消滅などの変化をもたらすとして説明する原理を指します。
 
●五行説とは...
ものの多様性とその変化の順序を統一あるものとして説明する原理を指します。 木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)の五つの気によって森羅万象の生成・変化を説明します。

(陰陽)五行説に関する書物は多く作られました。それらを整理分類したものが「五行大義」であり、陰陽道のテキストとして使われました。内容が多岐に渡り難解ではありますが、興味のある方は読んでいただければと思います。

さて、先の定義において「日本において体系化されたもの」と述べましたが、これは陰陽道という言葉は日本固有のものであることを意味しています。本によっては「陰陽道は大陸から伝来した」という記述がありますが、これは陰陽道をどのように定義するかに因ると思います。古代中国と古代日本で陰陽五行説を中心に発展した方向性は異なるように個人的には感じています。そういったものを同じ言葉で括っていいのかという問題意識はあります。陰陽道という言葉が古代中国に存在したかどうかも気になるところです。この辺については調査してみたいと思っています。